あけましておめでとうございます。
本年も皆様のお役に立てますよう、スタッフ一同頑張って参ります。
どうぞよろしくお願い致します。
新年の抱負として、IoT(Internet of Things)について書きます。
当社は、ハードウェアやOS等の、下回りのアーキテクチャを意識したソフトウェア開発を得意としております。昨今では、当社もIoTに関係することが増えてきました。
●IoT(Internet of Things)とクラウドを使う世界
この1-2年、IoTの普及で、急速にハードウェアとソフトウェアの距離が狭まった感じがします。前回の、同様のブームであった「ユビキタスコンピューティング」とはひと味違うようです。クラウドが普及したことが理由だと考えています。
IoTの主なシステム構成は「デバイス」「無線」「インターネット」「クラウド」です。クラウドには潤沢なリソースがあり、一方のデバイス(組込機器、スマホ、等々)には微少なリソースしかない構成です。
クラウドのキラーアプリケーションも普及し始めました。AI(人工知能)です。正確には狭義のAIでDeep Learningですね。AIの活用が進めば、クラウドコンピューティングの進化はさらに加速していくと考えられます。
●IoTとクラウドを使わない世界
一方、クラウドコンピューティングに頼らないモデルも広がりつつあります。フォグコンピューティング、エッジコンピューティング、等々。デバイスからどこのリソースを使うかという距離によって呼び方が変わります。このときのシステム構成は「デバイス」「無線」「近距離の潤沢なリソースをもつコンピュータ、または他のデバイス」。
インターネットにつながらない時でも、個別のネットワークだけでも通信出来ればよい場合も多くあるので、フォグ・エッジともに発展していくでしょう。
●注目する要素技術
クラウド・フォグ・エッジのいずれの発展にも欠かせない技術の代表格は、近距離無線通信技術のLPWA(Low Power Wide Area)。バッテリー技術の「全固体電池」でしょう。
●LPWA
LPWAは端的に言うと「通信データ量を犠牲にして距離を伸ばす」技術。このためデータが少ないセンサネットワークから導入が始まっています。
LPWAにはライセンスバンド(通信キャリアが使える)とアンライセンスバンドを使うものがあります。ライセンスバンドをキャリアが使うのは当然でしょうが、アンライセンスバンドを使う道もあるでしょう。アンライセンスバンドの無線LANが各キャリアのオフロードとして普及している例があるからです。アンライセンスバンドのLPWAも、同じように通信キャリアの垣根をはらってくれるのではないか、と期待しています。そうすれば、当社過去記事に書いたような「緊急(であることを周りに知ってもらう)通信」も出来て、安全な世の中にまた一歩進んでくれるだろう、と・・・
●全固体電池
全固体電池は、次世代と目される電池。量産化が進めば、EV(電気自動車)やスマホに搭載されることと思います。これまでスマホの弱点とされていたのが電池の「容量」「安全性」「寿命」ですが、全固体電池はこれらを解決する革新的な技術になると期待しています。
ひとたび量産化が進めば、EVはもとより、スマホのありかたが変わってくることでしょう。かつて、コンピュータが「計算機」から「コミュニケーションデバイス」に変化したように、スマホは「コミュニケーションデバイス」から次の新しい姿に変わっていくことと思います。
IoTが進化し、潤沢リソースをもつ細かいメッシュネットワークがあちこちに出来て、メッシュのノードが大量になるときはそう遠くないでしょう。そのときに当社のBubble Meshが役立てられればと思います。